平成12年8月9日
脇差銘 大和大掾藤原正則
正則の傑作で地鉄冴えに冴えむらの無い樋に彫口深い見事な彫物があり特筆すべき健全さの正則会心の一振り。 | |
地鉄微塵に練れて細かい地沸つき一点の破綻無く青黒く冴える小杢肌。刃紋尖り刃混じる互の目乱締まり、やや沈み心。 | |
彫口深く新刀期特有の彫でほとんど研ぎ減りが無い。中心味も抜群で出来の良さを誇示するかのごとく堂々ときられた銘。 |
刀銘 紀州住文殊重国
鎬筋高く長寸、身幅やや狭い。三代重国傑作と鑑せられる一振りで地鉄小杢肌よく練れ地沸厚くつき冴え細かな地景はいり、湾れ風互の目乱の刃紋は小沸深く降り積もり、刃先にいくほど沸の粒子が細かくなっていき柔らかく、助直、助広出来に見える。文殊派の特色でもある鎬地の柾割れも一切無く無欠点の三代文殊! | |
中心仕立て、錆び味ともよく銘ぶりも美しい。 |
短刀銘 兼景
鋭さのある姿の良い短刀で地鉄板目に杢まじり地沸つく。所々大肌まじるも総体的に良く鍛えられる。刃紋互の目丁子で上半は兼房丁子、下半は馬歯乱風の箱刃になり表裏揃い匂い口深く柔らかく見事。 | |
写真よりも見事な刃を焼いています。 | |
同 | |
バランスの取れた姿と雅味あふれる力強い銘。 |
無銘刀 越前関
菖蒲造りの刀で地鉄黒ずみ杢目肌詰みやや太めの地景はいり刃縁にパラパラと荒沸がこぼれる。刃紋小沸出来互の目乱で荒沸がむらにつく。典型的な北国物で上作では無いが真面目で健全な作。 |
無銘刀 貝三原
大磨り上げ無銘でふんばりぬけ身幅が狭く姿には力強さが無いものの元来名刀であった事が偲ばれる綺麗な地鉄。差し表よく練れた板目肌流れ白け映りが淡くたつ。一部刀身の疲れからやや地荒れがあるも気になるほどではない。刃紋典型的な直刃だが小足はあまりはいらず細かな砂流しがかかる。 |
無銘刀 兼元
寸法、反りのバランス極めてよく常の関物より細かく詰んだ肌。地鉄板目主調に杢まじり刃寄り柾がかる。地沸つき地景はいる綺麗な地鉄で鎬地も研磨技術で強めの柾を極力抑えてある。刃紋匂い出来、完全な三本杉にならない尖り互の目で孫六かその子の作と鑑せられる。刃縁に砂流しかかれば一目瞭然孫六兼元に見える出来。 |