斬れ味についての異名
斬れ味を誇る刀には美術的価値が低いものが多いですが、名を捨て実を採る刀こそ刀剣本来の使命に忠実な刀だと思います。
異名 | 由来 | 代表刀剣 |
古釣瓶 | 古くなって金具の緩んだ釣瓶には水が溜まらないところから、水も溜まらぬ斬れ 味を意味する。 |
長船元重 高天神兼明 |
籠釣瓶 | 籠で作った釣瓶に水が溜まらないところから、水も溜まらぬ斬れ味を意味する。 | 濃州関住兼定(立袈裟籠釣瓶) 兼房 大和守安定 |
底ぬけ柄杓 | 底が無いだけに上記の号もこれには及ばない。同様に水も溜まらぬ斬れ味の意。 | 無銘 伝延寿 |
布施無い経 | お布施のくれない家では、略式にして袈裟もつけない、すなわち袈裟を落としていくの意味から。 | 松平忠輝所持真長 長門守氏雲 |
古袈裟 | 古い袈裟は糸がいたんで切れやすくなるの意。 | 関兼峰 |
踊り仏 | 仏様でも踊り出すと肩の袈裟も落ちてしまうの意。 | 大和守安定 越中守正俊 文殊重国 |
乱上人 | 同上。 | 和泉守国貞 |
弊衣 敞衣 破れ絹 | 古くなって生地が痛んで切れやすいの意。 | 水戸光圀所持鬼塚吉国 播磨守輝広 |
継ぎ小袖 |